日本の国際結婚のデータ
厚生労働省が公表した人口動態調査によると、2016年の日本人の国際結婚では「夫日本・妻外国」が1万4851人、「妻日本・夫外国」が6,329人となっており、「妻外国」が「夫外国」のケースの約2.4倍となっています。
どちらかというと、日本人女性×外国人男性カップルが多いイメージでしたが、実際は日本人男性の方が外国人女性と結婚しています。
ただし、男性の場合はお相手の国籍が1~4位までアジア系で全体の約8割を占めており、国際結婚の相手はアジアに偏っていることが分かります。
参照:厚生労働省「平成28年度人口動態調査」より
また、国際結婚の件数ですが、日本のグローバル化が進み、件数が増えているのかと言えば、実際は2011年以降ゆるやかな横ばい状態です。
これは2005年に入国管理法が厳しくなり、偽装結婚を防止する動きがあったためで、逆にいえば以前はそれだけ「日本国籍欲しさ由の偽装結婚」が多かったということです。
参照:厚生労働省「平成28年度人口動態調査」より
国際結婚の離婚率について
国際結婚の離婚率は高く、一般には70%ととも言われています。実際に10組いるうちの7組が破局しているのかというとそうではありません。
国際結婚で使用されている70%の数値は「特殊離婚率」と言われ、以下の計算式で算出されています。 特殊離婚率 = その年の離婚件数 / その年の婚姻件数 ×100 実際に、平成29年度厚生労働省の人口動態調査データ出算出すると、54.3%という数値になりますが、だからと言って半分が離婚していると考えるのは間違っています。
「特殊離婚率」とは、「その年の離婚の増減率」に近い数値であって、皆さんがイメージする離婚率の定義とは全く異なるものです。
皆さんがイメージする本当の離婚率は、「普通離婚率」と呼ばれるもので以下の計算式で求めます。 普通離婚率 = その年の離婚件数 / 人口 ×1,000 これによると、国際結婚の特殊離婚率は大体40%台といわれており、現状の日本人同士の離婚率が30%であることを考えると、やや高い程度のものだということです。
今どきの国際結婚観
現在日本の婚姻数自体が減少し、伴って結婚観も大きく変容してきています。昔であれば、男性は三高といって「高年収、高身長、高学歴」であることが女性の結婚相手として最良とされてきました。
しかし、現在は社会情勢に合わせて多様な価値観が認められ、例え低年収でも、低身長でもどれだけ価値観が合うかどうか、ということにシフトしています。
女性はすでに柔軟にこの社会情勢に対応してお相手探しをしている傾向が強く、身長が低くても、少しくらい収入に不安があっても、その価値観に合うのであれば日本人男性でも外国人男性でも関係ないのです。
日本人女性が外国人男性を結婚相手に選ぶメリットとして、「家事や子育てを分担したり、男性だから、女性だからという価値観に縛られない」という点を上げる方が多いのですが、これは日本人男性がまだまだ女性に対して封建的な結婚観に縛られていることを意味します。
男性女性とも、多種多様な価値観を認め、幅広い視点を持つようになった時、日本も真のグローバル化ができたといえるようになるのかもしれませんね。