『人たらし』この言葉を聞いて皆さんはどんなイメージを思い浮かべますでしょうか。
おそらくそのイメージは　二分化されるのだと思います。
ある人は『人たらし』のイメージを聞くと”相手のことを理解できる”、”気配りや思いやりがある”といったプラスのイメージを持っており、ある人は”他人を騙す”といったマイナスのイメージをいたいている人も多いかと思います。
今回は、『人たらし』の本当の意味や、『人たらし』と言われる人の性格、上手な付き合い方、自分自身が今すぐつ使える人たらし術を一気にご紹介します。

『人たらし』とは

まずは、『人たらし』という本来の言葉の意味をご紹介します。

人たらしという言葉は漢字でかくと”人誑し”と書きます。

『人誑し』を辞書で引くと、”多くの人に好かれること。またその人。”という意味と”人を騙すこと。またその人。”という両極端ですが二つの意味があります。

”誑す”という言葉には『うまいことを言って誘い込んで騙す』や『すかしなだめる』という意味が含まれており、この言葉だけを切り取るとマイナスな意味になってしまいます。

では、現在の日常生活において使われる『人誑し』にはどのような違いがあるのでしょうか。

どちらかというと、現在は良い方の意味で使われる場面が増えてきており、実はこれは戦国武将の豊臣秀吉にまつわるお話がきっかけとなり、よりプラスの意味で捉えられるようになりました。

豊臣秀吉は自分よりも目上の武将や、部下からも信頼の厚い人物だったと言われています。

そんな豊臣秀吉を司馬遼太郎は『人たらしの天才』と記したそうです。

それがきっかけとなり、それまではマイナスの意味で捉えられることがほとんどだった『人たらし』という言葉が、”天才”という言葉が加わったことで”周囲から愛される人”を表すことばの意味に捉えられることが増えていったそうです。

現在では『人たらし術』や『人たらしスキル』と言われるほど、人から欲しがられるもののようになってきております。

『人たらし』の特徴

それではここでは『人たらし』とはどんな人のことを表しているのか、その特徴をあげていきます。

①考え方がポジティブ

いつも考え方が前向きで、その場にいるだけで雰囲気が明るくなる、そんな人が『人たらし』と周いに言われる人の中には多い傾向にあります。

何か予期せぬトラブルがあった時も、きっと大丈夫！とすぐに考えを切り替えられたり、それを周囲に広げることができることも共通点としてあげられるでしょう。

②常に笑顔で愛想が良い

いつでも、分け隔てなく、誰とでも笑顔で話している人がいると何か惹きつけられる人も多いのでしょうか。

愛嬌のある笑顔は自然と周囲を惹きつけているものです。

どんなお仕事をしていても笑顔は一番の武器です。人から信頼されるための大切なポイントにもなりますので、『人たらし』と言われる人の最大の共通点といっても過言ではないでしょう。

③同性、異性に関わらず人として人気がある

『人たらし』の人の多くは異性だけでなく同性からも人気が高いです。

”この人苦手だからちょっと距離をおこう、雑でいいか。”、”この人はいい人(異性)だから優しくしよう。”など、相手を選んでいる場面はありませんか。

同性、異性に関わらず人気のある人はどんな場面や相手でも分け隔てなく接することができます。

周りから見ても、”あの人には愛想が良いのにこの人には冷たいよね。”と思われてしまえばそれはただの八方美人になってしまいます。

『人たらし』と周囲から言われる人は相手への区別をつけなことから始まるのです。

④フットワークが軽い

『人たらし』な人は周囲からとても人気が高いです。

お仕事や学校がない日や休日など、頻繁に誘いの連絡がくるという人が多いですし、人と過ごしている時間が長いため、自分一人で過ごす休日は滅多にないという人も少なくありません。基本的に誘いを断らないことが多いので毎日複数予定が入っているなんてことも珍しくないのです。

⑤気配りができる

周囲の対する気配りや思いやりに長けているというのが『人たらし』な人の特徴でもあると言えるでしょう。

小さなことも見逃さないくらい鋭い観察力や洞察力を持っているからこそ、周囲の人に対する誠意ある行動をしたり、相手の求めているものを与えたりする気配りに長けているのです。

⑥人を頼ったり甘えることが上手

周囲から人気がある人は、頼られたり信頼を得ているだけでなく、自分が頼ること、甘えることも上手な人が多いです。

自分だったらと、相手の気持ちになって考える力に長けているからこそ、許容量を知っていて、上手なバランスを保つことがでるのです。

⑦聞き上手

人たらしと言われる人は、呼吸をするように相手の話を聞き、受け止めることが上手な人が多い傾向にあります。

相手の話を聞くだけでなく、うなずいたり、しっかりと反応もするため相談相手からも、『ちゃんと話を聞いてくれる良い人だな』と好印象を持たれますし、親近感を抱かれることもしばしばあるのではないでしょうか。

⑧人間関係にお金がかかっても気にしない

人懐こくて、いつも自分の周りにいる人の事が大好きなのも人たらしの人の特徴と言えます。

ですので、その人たちと関わるために必要なお金なら多少かかってもその価値があると考え、出費を惜しまない人が多いのです。

⑨少しオーバーなくらい大きなリアクションをとる

喜怒哀楽の表現がはっきりしているのも、人たらしな人の特徴です。

喜んでいる時は思いっきり笑顔になったり、楽しい時は子供のように無邪気に笑ったり、驚いた時は目を見開いたり、いつも表情豊かな人って周りにいませんか？

リアクションが大きくて鬱陶しいと思われがちですが、これが素直な反応なのです。

無邪気で愛嬌のある反応が周囲から愛される理由にもなっています。

⑩想像力がある

『人たらし』な人は親身になって相談を聞いてあげることが多いです。

想像力があると言われる理由としては、”もし自分がその立場だったらと”相手の立場に立って相談を聞いてあげられる人だからです。自分の発する言葉や行動が、周囲にどんな影響を与えるのかを想像できるので人を傷つけるようなことはしないのです。

人に好かれる人たらし術を知っていますか？

すでに自分に当てはまっているかも？と思ったらそれは人たらし術が身についているという事ですね。

実は知らなかったことや、こんなことも含まれるのか！と新しい発見につながるかもしれません。

この人たらし術を身につければ、今まで以上に周囲に好かれる、愛される人になれるかもしれません。

ここではその人たらし術をいくつかご紹介していきます。

①外見の第一印象にも気を遣う

基本的なことですが”人は第一印象”と言われるように、周りから見られる自分の姿がとても大切です。

また、内面はもちろん大切ですが、まず外見で”この人はちょっと”とマイナスな印象を与えてしまっては内面を見てもらうきっかけさえなくなってしまいます。

ですので、顔が整っていること＝第一印象が良いではなく、清潔感のある身だしなみと、その場にあった格好をするだけで良いので実践してみましょう。

②明るく笑顔で挨拶と礼儀作法を心がける

これは人としての基本でもありますが、やはり明るく笑顔で挨拶ができる人は魅力的ですよね。

コミュニケーションを取る上でのスタートライン、そして当たり前の事だからこそ、できていない時のマイナスが大きい部分でもあります。

改めて意識することで改善点が見つかるかもしれません。

第一印象にも通ずる部分になるので、①とセットで考えても良いですね。

③相手へのちょっとした気遣いの気持ちを

とても小さなことですが、例えば何か頼み事をしてもらったらお礼にちょっとしたギフトを渡す、体調がよく無さそうなら早く良くなってねという言葉をかけたり、体に優しいものを差し入れたり。人たらしの人はそういった小さな気遣いで人の心を掴むことも自然とできるものです。

必ず何か”モノ”でなくても、言葉でも十分なので、いつもの会話にプラス気遣いを感じる一言を付け加えることから始めてみましょう。

④相手の意見を許容する心の余裕を持つ

何か話し合いをした時に、もしも自分の意見と相手の意見が違ったら、相手の意見にもしっかり耳を傾けていますか？自分の意見を曲げて相手の意見を受け入れることは間違いを認めているようで勇気がいるかもしれません。

しかし、柔軟に考えて、相手の意見の真意を考えたり、自分の意見と違って良いところどこなのかを知ることでより良いものが生まれるかもしれません。

そうした”歩み寄り”の姿勢を少しでも自分から見せていくことで、相手との関係ももっと良くなるはずです。

⑤素直になる

あなたの好きなタイプは？と聞かれて”素直な人”と答える人は沢山いますよね。

実際のところ、どんな人を素直というのでしょうか。

それはきっとすごく簡単で当たり前のことで、ありがとうやごめんねの当たり前の挨拶を当たり前に伝えられる人、相手の発した言葉を曲げずにストレートに受け取れる人のことを言うのでしょう。

年齢を重ねるとこういった当たり前のことに頑固になってしまったり、素直になるのが恥ずかしかったり、プライドが邪魔をしてしまう事があります。

意識して素直に相手に言葉として伝えることで、周囲から好かれる”素直な人”になれるでしょう。

⑥常に笑顔を意識する

どんな時でも、誰に対しても笑顔でいる人は周囲の視線を惹きつけますし、好印象です。

何事もポジティブに捉えて、マイナスな事があっても笑顔を意識しているだけで気持ちも少し明るくなるはずです。

同じ時間なら楽しく過ごせた方が誰だって良いですよね。

ネガティヴな時こそ、大変な時こそ笑顔を意識して過ごしてみましょう。

⑦褒め上手になる

”この人褒めるの上手だな”と思った経験はありませんか？人たらしな人は、褒めるのがとても上手です。

なぜなら素直な言葉に加えて、他の人とは少し違う視点から見た良さを言葉にするからです。

例えば、”そのワンピース素敵！似合ってるね！”と褒める人はいますが、そこにプラスして、”今日の髪型とあっているね！”や”今日履いている靴とも相性バッチリで素敵だね！”などと、もう一歩突っ込んだ褒め言葉があるだけで、”この人はよく見ているな”と思われるだけでなく、自然と”私の好みなど少し理解してくれた”と好印象を抱いてもらう事ができます。

相手を褒めるときは具体的に伝える事で、相手からも印象に残り、且つ、それがプラスな関係に働きかけてくれるはずです。

⑧人との距離感を適度に保つ

人たらしと言われる人は相手との距離が近いと勘違いされがちですが、実はそうではありません。

近くなりすぎず、遠くなりすぎずな距離感を保つことが上手なのです。

馴れ馴れしくなりすぎない絶妙な距離感を保ち、心の距離も縮めていくことが経験を積むうちに自然とできるようになるはずです。

焦らずにゆっくりとそのちょうど良い距離感を掴んでいきましょう。

⑨フットワークが軽い人になる

人たらしと言われる人はいつも周囲に人がいて、人気もありますし、仕事や学校が休みでも、休日予定がいっぱい詰まっているという人も少なくありません。

周囲の人に愛されているからこそ、本人も周りの人が大好きなのです。

ですから、交流の場をどんどん増やしてその人たちとの関係を深めていくためにも、誘いがあればできるだけ断らずに参加していくのが良いでしょう。

⑩人に興味を持つ

人に興味があるかないか、これは人たらしスキルを身につけるには大切なところです。

人に好かれる人になるにはまず、自分が人を好きにならないといけません。

相手に対する興味があれば、自然とコミュニケーションを取ろうと会話も生まれますし、もっと相手のことを知りたいという気持ちも湧いてくると思います。

また、相手に対して興味が湧けば、その人との会話の内容や約束も覚えていられるので関係性も良くなるでしょう。

相手が自分のことや話した内容を覚えていてくれるだけで嬉しいのではないでしょうか。

人たらしな人と上手に付き合っていくにはどうしたら良いでしょうか？

付き合いも、様々なシーンがありますので、こちらでは、職場の場合と恋愛の場合に分けてみていきましょう。

①職場での人たらしな人との付き合い方

職場における人たらしな人は、Ⅳでご紹介したように褒め上手なので、例えば、一緒に働いている人の外見の変化にすぐに気付き、”その〇〇似合うね！素敵！”など挨拶に一言付け加えて相手との距離を縮めたり、素直に物事を受け止められる人が多いので、上司であっても同僚であっても、相手の意見を傾聴する姿勢を保ちつつ、自分の意見を発信することもできます。

ですから、時にはその人と比べてしまったり、人脈も仕事のうちだと理解はしていても、同じ仕事をしているのに媚を売るだけの人に負けたくないなどと思ってしまうこともあるかもしれません。

でも同じ職場なら誰かが必ず見ているものです。頑張りも全て見てくれている人はいるのです。

自分の努力や行いを正当に見てもらうためにも、人たらしといわれる人の仕事ぶりを自分自身は正当にみることがちゃんとできているのか、相手をしっかりみて、時にはしっかりと認めることが必要です。

②恋愛における人たらしな人との付き合い方

人たらしな人と付き合うと何が大変でしょうか？

それはもちろん毎日気苦労が絶えないことでしょう。

人たらしな人は、人を選ばず周囲の人に愛し愛される人物ですから、自分だけに優しくしてくれているのかな？好きでいてくれてるのかな？と思っていたら実はみんなにも同じだった、という思い違いがよく起きると考えられます。

人からの誘いもあまり断らない人が多いので、今日もあの人と出かけるの？なんて恋人になったら心配してしまうなんてこともあるでしょう。

ですので、片想いの場合は自分の好意を相手に少しわかりやすいくらいに伝え、相手から告白させるくらいの勢いと流れがベストと言えるでしょう。

人たらしな人だとわかっていて恋人になったのなら、正直にお伝えすると、ある程度のことは諦めるのが一番だと思います。

外出の時は誰といくのか何時に帰るかなど、俗にいう束縛のようなことをしても”自分のことを理解してくれてたと思ったから付き合ったのに”などど逆効果になってしまうことも考えられますので、”ご飯に行くのはいいけど、泊まりはNG”など、自分自身が我慢しすぎて辛くなってしまわず、相手を縛りつけすぎないラインを見極めてルールを作っておくと良いでしょう。

まとめ

ここまで『人たらし』について様々な視点から見てきました。

今までこの言葉をマイナスの意味に捉えていた人も多いかもしれません。

しかし、この記事を通してそのイメージが大きく変わった人もいるのではないでしょうか。

確かに人を騙すという意味もあるのでプラスの意味しかないというわけではありませんが、冒頭にお伝えしたように、”多くの人に好かれる”という素敵な意味も持っています。

また、人たらし術や人たらしスキルと言われるように、自分もそのスキルを身につけたいという人がいるほど、『人たらし』と呼ばれる人は魅力的な人間であるとも言えます。

言葉の意味を正しく理解して、自分自身が周りから愛される人になり、周りにいる『人たらし』な人を理解して日常生活においても恋愛においても上手に付き合っていけると、きっと素敵な毎日が待っているでしょう。