結婚といえば…いろいろ準備が必要になりますよね。
近いところでは、世間の注目集めた皇室と一般男性の結婚での「一般の結納に当る儀式を行わない」というものでした。
そこで「結納ってどんなことをするの?」「費用はどのくらいかかるの?」と疑問に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここでは、結納金の現在の実情や相場などについてご紹介します。
そもそも結納って何?
結納の歴史は、諸説ありますが古くは平安時代まで遡ります。
男性が女性の元に通う「通い婚」が主流だった当時、男性が女性の家に酒とさかなを持参し、飲食を共にすることで婚姻が認められるというものでした。
男性が、その家の女性と結婚したいという意思を示すために贈る品物を「ゆいもの」と呼び、それが、結納の始まりだとされています。
そして、鎌倉時代になると女性が男性の家に入る嫁入り婚に変わります。
立派に育ててくださったお嬢さまを嫁としてもらうという意味で、女性の親にお礼として渡すようになったのが結納金の由来となります。そのころは実際にお金ではなく、酒や鯛などの魚、宮中ではそれに着物の生地を付けて贈っていました。
近代になり、一般庶民の間でお金を贈るようになりました。そして、戦後、家父長制度が廃止されたことを機に結婚すると新しく戸籍が作られるようになり、結婚への準備金として認識されるようになりました。
つまり、結納は両家の親族の前で婚約を交わし、両家の家族の結びつきを作り、親睦を深めるという意味も併せ持っています。
■結納金は必ず用意すべきものではないって、本当?
結納ってなんだか堅苦しいイメージだな…とか悩む方もいらっしゃると思います。
結納金も準備しなければいけないし、どうすればいいんだろうというお話も耳にします。
近年では、結納を行うかどうかについては、両家で決定することが多く、その有無は両家の伝統や地域性、両親の気持ちによる部分が大きく影響しています。
「家と家との結びつき」を象徴する儀式が結納ですが、負担になることも多いため、両家の顔合わせという意味を込めて食事会を行うというカップルも増えています。
その際、花婿側から花嫁側に金品を贈る場合もありますが、食事会は結納ではありませんので、支度金として贈ることが一般的です。
また、結納や食事会を行い、高額な結納金や支度金を包むよりも結婚生活自体を充実化させるためにお金を使うという考え方もあるためです。
結婚はいくら当人同士といえ、やはり家同士がかかわりますので、必ずよく話し合い、両家が納得をするスタイルとしましょう。
■今って、みんな結納金をどうしているの?
結納は家と家の結びつきを深めるもので、花婿側の両親が花嫁側の両親に対して「大切に育ててこられた娘さんを家族に迎え入れさせていただきます」という気持ちを伝える儀式です。
ウエディング関連業者の発表によれば、結納を行なったというカップル約25%に対して結納を行なわなかったカップルは約75%にも及びます。
そして、結納金は婿側が用意するのが一般的ですが、結納を行い、結納金を贈る場合の相場は50~150万円程度が相場とされ、全国で平均すると約100万円程度というカップルが多くなっています。
ここでは、結納金についてのご意見をまとめていますので、ぜひ参考にしましょう。
①結納金賛成派の意見
・一生に一度のことなので結納を行うことにしましたが、仲人がいるわけではないので、略式結納という形を取ることにしました。「結納品」や「受書」などあり大変だったことは大変だったのですが、土地柄的にもそういったことを重んじることが多いので、結納は行ってよかったなと感じます。費用はこの地域の相場と言われている100万円を用意しました。(20代・男性)
・コロナ禍ということもあり、結婚式も大々的に行うような雰囲気でもなかったので、結納をしっかりと行いました。結婚後の資金のために金額を多くかけてはいませんが、昔ながらの儀式を行うことで、結婚するんだな~という気持ちにもなり、結婚式は内々で行う程度も結納をしっかりと行ったことでこういうのもいいなと感じました!両家の親と彼が固くなっている姿も新鮮でした(30代・女性)
②結納金反対派の意見
・仲人を立てたり、形式ばったことをしたりするよりも2人の結婚生活を充実したものにしたいので、敢えて結納を行って結納金を用意しなくてもいいんじゃないかと話し合い、結納金が必要な結納は行いませんでした。両家顔合わせの食事会だけを行い、特に支度金も必要ないということになりました。(20代・女性)
・結納という儀式を行うのは大変だと思ったので、両家に負担の無いかたちで食事会のみを行いました。両親としては、結納は儀式なのできちんとしたスタイルで行いたかったようですが、よく話をして行わないと決めました。食事会も和やかな雰囲気で行えたのでこの方法で良かったなと思います。(30代・男性)
結納金を贈る場合に抑えておくべきポイント
結納を行い、結納金を行うことが決定でしたら、どのように進行すればよいのでしょうか?
ここでは、結納金を贈る際にぜひ知っておきたい情報をご紹介しています。結納金の手配は大変なこともありますが、事前準備でスムーズになります。
①結納金の相場
ウエディング関連会社によれば、結納金の相場は、地域によって異なりますが約100万円~150万円の間が多いようです。
地域別にみてみると新潟が平均62万3000円と金額が低く、宮城・山形、首都圏、富山・石川・福井、東海、四国では、平均100万円を超えている地域がありますが、迷う場合は割ることができない数字にもなる50万円か70万円を贈るようにしましょう。
※以下、表組に※
結納金の額
金額 割合
50 万円未満 4.4%
50万~100万円未満 19.1%
100万~150万円未満 69.8%
150万~200万円未満 1.9%
200万円以上 4.7%
②結納金を渡すタイミング
結納金を渡すタイミングについても疑問に感じる方が多いので、こちらでご紹介します。結納金は結納品の1品目として、結納を行う際にお相手側に手渡しします。
基本的には現金を包みますので、結納金はかなりの高額になってしまいます。振り込みをしたいと考える人もいるようですが、やはりありがたみが薄れてしまいますので、現金をお渡しするのがよいでしょう。
③結納金の渡し方
結納金は、結納の席で相手側の家に渡しますが、その際、お金だけを渡すのはNGです。結納品目の中に含めて渡すのが基本となるので覚えておきましょう。
また、結納金はそのままお相手にお渡しするのではなく、袋に入れてお渡しします。
結納飾りの中に立派な金包かのしが掛かった桐の箱があるので、それに現金を入れます。
表書きには、地域によって異なりますが以下のように記します。
関東では「御帯料」(おんおびりょう)
関西では「小袖料」(こそでりょう)
九州や四国では「結納料」(ゆいのうりょう)
ちなみに、関東式では結納返し分を引いた金額を渡すケースもあります。
④結納のお返しの考慮
結納は必ずしなければいけないものではないとご紹介しましたが、結納金をいただいたら、お返しを考慮する必要があり、そのままにしておくことはNG。
両家が顔を合わせて正式な結納を行うのですから、何もお返しがなければ常識がない家と思われてしまいかねません。
結納金をいただいたほうが必ずお返しをするようにしてください。
結納金をもらった場合のマナー・使い道
結納金をいただいたら、お礼をするのがマナーです。お返しの金額は地域によって異なりますが、関東では結納金の半額、関西では結納金の1割程度を返すのが目安とされています。
また、結納返しは結納の当日に行いますが、相手側からいただいた結納金から現金を抜き出して返すのはNGです。結納品目を受けた後に、事前に用意した袋に入れた状態で手渡します。
相手からの金額が分からないとお返しができないこともありますので、結納をスムーズに行うのであれば、事前の打ち合わせをしておきましょう。場合によっては別日に返すのもOKです。
結納そのものを行わずに記念品を贈ることもあります。その際は、時計、スーツ、指輪などの普段使いできるものから家電や家具など新生活をスタートしたときに使用するものを購入するということもあります。
いずれにしてもお互いでよく話し合いをするようにしてください。
まとめ
これからプロポーズを検討している男性、プロポーズが終了したばかりのカップルの中には結納をどうしようか悩む方も多いと思います。
結婚は家同士のつながりとは言っても、2人が幸せな生活を送るための制度ですから、結納が古くからある文化であるとはいえ、結納を行うことに固執する必要はまったくありません。
まとまった金銭を用意するのが難しく、結納金が出せない場合もあるでしょう。そんなときは、当人同士と両家の了解が得られれば必ずしも儀式を行う必要はありません。婚約指輪に気持ちを託したり、お互いが明確な意思をもって結婚の準備をすすめたりすることが、幸せな結婚生活に繋がるはずです。