「社交辞令」という言葉を聞いたことのある人も多いと思います。しかし、なんとなく意味は分かるけど実際の細かい意味までは分からないという人も多いと思います。また社交辞令なんか使ったことないよという人もいるかもしれません。しかし社交辞令とは、社会生活を送るうえで誰もが一度は知らず知らずのうちに使っています。ここではそんな社交辞令について様々な側面より考えていいきたいと思います。
社交辞令とは?
そこでまずは社交辞令の意味についてみていきましょう。Wikipediaの記事によると、『社交辞令とは日常から行事、風習などといったあらゆる場面での人間付き合いにおいて、物事を円滑に進めるために発言することが望ましいとされている挨拶や相手を誉める言葉。これは行うことにより相手に対して本音を言っている場合と、止むを得ずであったり利益のために相手に対して不本意や偽りの態度をとっている場合とが存在する』とあります。社交辞令は相手とのコミュニケーションを円滑にするために、相手を喜ばせるため思ってもいないことをいうことだといえます。
よく似た言葉に「お世辞」という言葉があります。お世辞とは、心にもないことを愛想のために言うという意味です。
「社交辞令」と「お世辞」はどちらも相手を褒める言葉を意味していますが、使い方は少し違います。 「社交辞令」は人付き合いを上手く運ぶために使われているのに対し、「お世辞」は愛想よく振る舞って相手に気に入られるようとする場合に使う言葉です。
このように「社交辞令」は人間関係をスムーズにすすめるために使うという側面が強いです。しかし、使いすぎてしまうと相手におべっかを使っていると思われてしまい、使う際は程々にするのが大切です。
社交辞令を使う理由とは
2の項目で社交辞令の意味について見てきました。社交辞令とは、人付き合いを円滑にするために使われる言葉でしたね。ここでは社交辞令を使う理由について、もう少し詳しく見ていきましょう。
無下にできない間柄
社交辞令を使う大きな理由には、相手との関係性が影響していることが多いです。相手との関係性とは、友人や家族、恋人、上司などでそれぞれ違ってきます。
たとえば、上司や先輩など目上の人が嬉しそうに何かを報告してきて、良いリアクションを求めてきたら、本心では良くないと思っていても正直に言えるはずがありません。
お互いの関係性上、無下にもできないので、仕方なく「それいいですね」と言うのです。
会社での人間関係が円滑に進むのなら、社交辞令でも相手を褒めてあげることが必要というわけです。
しかし、本当に仲のいい友人だった場合はどうでしょうか。本心ではよくないと思ったら正直なリアクションをするのではないでしょうか。
本音を言ったら傷つける
本音をズバズバ言ってしまうと、人間関係は破綻する可能性が高いです。
友達同士や恋人、家族であっても、本音を言うことで相手を地の底まで落ち込ませてしまうような場合は、社交辞令で誤魔化します。
お節介な友達であれば、独身男性や独身女性に「今度タイプの人連れてくるから、気が合ったらデートしておいでよ!」と良かれと思って言ってくることがあります。
善意であることがわかっているため、それを本音で断ることができない人は、「今度都合がいいときに~…」と社交辞令でお茶を濁すのです。
無難にやり過ごしたい
とくにタイプじゃない人から好意を寄せられた場合は、深く関わりを持ちたくない心理が働きます。
しかし、その場で無愛想に避けるようなことをすれば、場の空気が悪くなりますよね。
相手の立場を気遣いつつも、「せめてこの場だけやり過ごせば…」と考えて社交辞令を使うのです。社交辞令を使うことによって、タイプでない人から好意を寄せられて困った場合でも、相手を深く傷つけることなく、無難にやり過ごすことができます。このように社交辞令とは、人付き合いを円滑にするために使う側面が強くあります。
社交辞令を見分ける方法
ここまで社交辞令を使う理由やその意味について見てきました。円滑なコミュニケーションのため、相手は本心からではなく社交辞令で言っているケースも多々あります。ここでは、そんな社交辞令を見分ける方法について考えていきます。
日程を提案してくる
気になる異性の人をデートに誘い、その日は日程が合わずに断られることもあります。そんなとき社交辞令の場合は、「私も行きたかったけど、その日は予定があってどうしても無理なんだよね…」といった具合に断ってきます。しかし、本心からこちらに好意があった場合はどうでしょうか。本当にその人とまた会いたいなら「この日は大丈夫ですよ!」と提案してきます。このように代替案として具体的日程を提示された場合は、社交辞令ではなく本心だといえるでしょう。社交辞令を真に受けて、さらに猛アプローチをしてしまうと相手から避けられてしまうことになりかねないので注意しましょう。
具体的な内容を混ぜて褒めてくる
皆さんは相手からとりあえずよく思われようと、思ってもないのに褒める場合があるかと思います。
例えば、異性を褒めるとき「モテそうだよね」という言葉だけで当たり障りなくいう場合は要注意です。それは本心ではなく社交辞令でいっている可能性をあります。
逆に「○○さんって目や手先が綺麗で…」や「○○さんのそういう性格が素敵」などと具体的な内容を混ぜて褒めてくる場合は本心だといえるでしょう。その人の良いポイントを具体的に言う時には、普段から相手のことをよく知り、また考えていないと出てこない言葉だといえます。このように具体的な内容を混ぜて褒めてきた場合は本心である可能性が高いです。
よくある社交辞令例と対応方法
それでは、実際によく使われる社交辞令のフレーズ例を見ていきましょう。
しかし、これから紹介する言葉全てが社交辞令というわけではありません。
本心で言っている人もいるので、あくまで「社交辞令に使われやすい」ということを頭に入れて、見ていくことをおすすめします。
連絡先交換時
合コンなんかでよく、「メールとかLINEの連絡先教えて~」と言ったり、取引先の気になる人に、「そういえば○○さんの電話番号知らないから教えてください」と聞いたりする場面にありがちな社交辞令です。
苦手な人に連絡先を聞かれても、「いやです」とハッキリ答えられない人は結構いると思います。それが上司であったり取引先の人だった場合、断ってしまうと自分の評価が下がってしまうのではないかと不安になる人も多いのではないでしょうか。
そんな場合は、嫌でもとりあえず連絡先を交換します。
その際によく出てくるのが、「こちらから連絡しますね」というセリフです。
実は「こっちから連絡するまでそっちからはしてこないで」という意味があります。
そのため、全く連絡が来ないからといって自分からガツガツアピールすると、確実に嫌われるので注意が必要です。
また、「スマートフォンがちょうど壊れてしまって…や失くしてしまって…」などフレーズが出た際は、社交辞令である可能性が高いです。現実にスマートフォンを壊してしまう場面はそうそうないと思います。これも真に受けて、「いつ直るの?なおったら交換して!!」などしつこくしてしまうと嫌われる原因になります。
連絡先交換時は、特に相手が社交辞令から言っているのかそうではないのかが如実に表れやすいので、上記にあげた内容を注目していくといいでしょう。
相手を誘ったとき
気になる異性の人を飲みや食事に誘ったときに、「あ~…その日は予定があって…また今度誘ってください」と言われた経験がある人も多いと思います。別の日に何度も誘ってもいい返事がない場合、これは社交辞令の可能性が高いでしょう。
「本当は行きたかったけど、たまたま予定が被っちゃって行けない」というニュアンスを含めると、「じゃあ仕方ないかぁ」と相手を悪い気にさせずにお誘いを回避できるのです。
皆さんも一度は、こんな経験があるのではないでしょうか。このように相手を誘ったとき、「予定があって・・・」というのはよくある社交辞令の文句だといえます。
完全なる社交辞令の場合、「またの機会」はいつまで経っても永遠に訪れないでしょう。
相手を飲みや食事に誘って断わられたときは、代替案として具体的な日程を提示してみてください。「それならこの日はどう?逆にいつならいけるかな?」などといった言葉です。いつ行ける?と相手に完全に日程を決める権利を委譲して、それでも相手から良いお返事がない場合は、それは社交辞令の可能性が高いといえます。
機会があればまた会いましょう
異性と食事に行ったときに「機会があればまた会いましょう」とよく聞きませんか?異性関係に限らず、人付き合いにおいてよく出てくる王道の社交辞令フレーズです。
これは直接的ではなく、やんわり断りたいときに用いられることが多い言葉です。
機会があれば…というクッション言葉を使用することで、そこに完全にダメではないけど、やんわり断りたいというニュアンスを含ませることができます。
本気でまた会いたいと思っていたら、「何日空いてるんでこの日とかどうです?」と予定を聞いてくるのが普通ですよね。
相手のことは別に嫌いではないけど、そこまで頻繁に会うほどじゃないと感じているときに、よく使われるフレーズかもしれません。
話しをしていて何かをお願いした際に、「機会があったら…」というフレーズが出てきたら注意しましょう。それは社交辞令である可能性が高いため、これを言われた際にはグイグイといかず、相手を様子見するのがいいのではないでしょうか。
行けたら行くね
2人での約束よりも、イベントや飲み会など大人数が予想されるお誘いであるあるの社交辞令が「行けたら行くね」です。
皆さんも忘年会や多数で集まるイベントを企画した際に、このように言ってくる人を1人くらいはみたことがあるのではないでしょうか。
これは遠回しに断っていたり、当日の気分次第で参加しようとしたりする人の断り文句といえるでしょう。
「自分1人くらい行かなくても大丈夫なのでは」と考えていることも多いです。
「行けたら」と添えることで「行く気はあるけど」と匂わせておけば、真っ先に断られるよりも悪い気はしませんよね。
このフレーズが出た際は、「当日より前に予約する必要があって、何日までに行けるかの返事がほしい」と言ってみましょう。何日までにと期限を定めることで、相手も返事をしなければという心理になるため、早めに参加・不参加の返事をもらいやすくなります。ただの社交辞令から「行けたら行く」といっていた場合は、この時点で不参加の返事をすることが多いです。
脈があるときの行動とは?
いままで社交辞令について見てきました。社交辞令と本当に脈があるときの違いが今いち分かりにくいと感じる人も多いと思います。ここでは本当に脈があるときの行動について男女別でいくつかみていきたいと思います。
男性の場合
①会話する距離感が自然と近い
男性と会話をする時に、他の人よりも近くない?と思う瞬間がある女性もいるかと思います。女性慣れしている人なら意識的に近く寄っていますが、そうでない人は気になる女性ということで、無意識的に近くになってしまうということもあります。
たまたまの場合もありますが、何回か話す中でも他の女性と比べて距離感が近いと感じた場合には、脈ありサインの一つと言っても良いでしょう。
②女性と話をするときはいつも笑顔
こちらも無意識タイプの脈ありサインの一つになります。男性の場合は女性よりも愛想笑いが苦手なタイプが多いため、必然と毎回貴方との会話を楽しんでいるなら、その時間は楽しいということは間違いありません。そのため、普段笑わない人が貴方と前だけはとても笑顔というのは、脈ありの確率はぐんと上がります。
細かな見分け方としては、他の複数人女性への対応はそっけない態度ですが、“貴方だけ”というのが大きなポイントになります。
③気になる女性にだけ旅行のお土産を買ってくる
男性がどこか旅行に行った時に、他の友人にはお土産を買ってきていないのに、特定の女性にだけ買ってきた場合は、脈あり度は高いと言えるでしょう。他の友人には買ってこないで、一人の女性に贈るというのは男性の中で“特別な存在”ということになります。
二人きりになって渡されたとなると、少なくとも意識をしている可能性は大となります。
④女性の趣味や好みを聞いて、合わしてくれる
二人また複数人で会話をしている時に、女性の好きな男性のタイプや服装、性格など、を聞き、次回以降それに合わせてきたらそれは脈ありと言っても良いでしょう。好きな女性には、男性も好かれたいという気持ちがあるため、自ら寄せるということになります。
⑤「大丈夫!?」とやたら心配される
体調が悪い時や怪我をした時に、普通よりも心配してくれる男性は、好意を持っている可能性が高いです。男性は好きな人のことはどうしても気になるものです。特にその後の行動で、女性が何かをしようとした時に手伝ってくれたりしたら、本当に優しい人 or 好意があるかのどちらかになります。
どちらにせよ、自分が本当に弱っている時に支えてくれる男性程、近くにいて欲しいと思いますよね。
女性の場合
①女性からの質問が増える
あなたの家族や趣味に強い関心を持っているのは、あなたとの交際を具体的に思い描いているからです。
興味のない相手との時間をつぶすために次々と質問をする女性も中にはいますが、あなたの答えに対してさらに深く質問をするかどうかが見分けるポイントです。質問をされ、そこから派生しさらに突っ込んだ話をしてくる場合は、女性が男性のことを深く知ろうとしているといえ、その場合は脈ありだといえます。また、質問の内容が好みのタイプだったりすると脈ありである可能性がさらに高まります。女性は本能的に自分を守るので恋愛対象以外には恋愛の話を振らないのです。
②頻繁に連絡が来る
好きな相手とは繋がっていたいと思うものです。頻繁に連絡が来るのはあなたに興味がある証拠です。
好きな相手にはマメに連絡を取るのは男女ともに同じこと。自分が好意を持っている相手から連絡が頻繁に来たら、コミュニケーションを取るきっかけになります。女性の場合、好意を寄せている男性へ連絡をするのは、一般的に男性よりもハードルが高いもの。それでも連絡を頻?に寄せてくるのは、あなたに興味がありもっと知りたいという思いからだといえます。
③他の男性と態度を変える
女性は、人から好かれたい、愛されたいという欲望が強く、サービス精神が旺盛な方が多いため、興味がない異性にでも愛想よく接することは得意です。
ですが本当に気になる男性の前では特別な態度をとっているものです。体全体でその男性のほうを向いていたり、声が弾んでいたり、じっと目を見て話を聞いていたり。他の男性に対する態度と比べてみるとわかりやすいはずです。
特に相手の瞳孔が開いていると好意を寄せられている可能性が高いと言われています。気になる異性と話をする際は、ぜひ瞳の中の瞳孔が開いているかチェックしてみてください。
④会うときにいつもおしゃれをしてくる
女性にとっていつもおしゃれな格好をしていたいというのは普通のことですが、二人きりで会うときに普段よりもかわいい服装や髪型、メイクもしっかりしている場合は脈ありと思っていいでしょう。
素敵な自分でいたいと思う一方で、どうでもいい相手のためには努力をしたくないというのも女性の本音です。
もっとかわいいと思われたい、日頃とは違う顔を見せたいという考えから相手の男性のためにおめかししているのです。
デートでも仕事の用事だとしても、二人で会う機会になんだか気合を入れた格好で女性が現れた場合は大いに脈ありです。いつも以上におしゃれや化粧をしているということは、それだけあなたに時間をかけている証拠と言い換えることもできます。
⑤メールの返信が早く、文章も長め
「気になる人とは1秒でも長く繋がっていたい!」、「相手のことをもっと知りたいし、知って欲しい!」そんな思いの表れが、メールの対応には出ます。
気になる人からのメッセージが届いていないか、何度もラインをチェックしてしまうという経験がある人は多いと思います。
女性の場合はメッセージを送る相手によって返信が早い人遅い人と意図的に分けている部分があります。興味のない人へは、既読がつくのが遅く、メッセージも短い文章になりがちです。逆に返信が早かったり、文章が長い場合は、あなたのことが気になっている可能性が高いです。
まとめ
以上、ここまで社交辞令について様々な側面からみてきました。社交辞令とは人付き合いを上手く運ぶために使われていて、ときには思ってもいないことを相手に落胆させないため使用することだと述べてきました。日本人は空気を読む傾向が強いと言われています。
この相手を思いやり空気を読む文化があるため、社交辞令をいう文化が発展したと考えられます。「本音」と「建前」をうまく使い分けて、社交辞令をうまく生活に取り入れていくことが大切なのかもしれませんね。